アトピーが良くなるということ

[清水良輔先生の診察日記] 清水良輔先生

2013年10月31日 [木]

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皮ふ科しみずクリニック院長、清水良輔です。

アトピー性皮膚炎の原因に関して、様々な原因論が医学会で発表されてきましたが、いまだに証拠のある原因は見つかっていません。

証拠のある原因が解ればその対策の研究も進むので、どこの医療機関でもほぼ同じ治療が受けられるはず。しかし現在は多くの医療機関で証拠のないまま原因を仮定して、さまざまな指導が行われています。
それは西洋医学においては、原因を追及してその対策をたてるというのが中心的手法であるためです。
したがって、つい悪くなった時になにが悪いのだろうと思いを巡らしていまいがち。

アトピーの情報が氾濫する現状では、家のほこりが悪い、食品添加物・甘いもの・油ものが悪い、水が悪い、空気が悪い、繊維が悪い、紫外線が悪い、化粧品が悪い、汗が悪い、季節が悪いなど、証拠のない犯人探しが続いており、不安に基づいてそれらを避けようとする生活はアトピーが良くなるとは思えません。
アトピーが良くなった方はみなさん何故良くなったかが解らないことが多く、それぞれがちがう良くなり方があって、あたかも人生の物語の一部をみているようです。
多くの患者さんたちとお付き合いした経験から、何が悪いかの想像をめぐらすよりも良くなった経験において何が役に立ったかを考えるほうが、良くなる可能性が高いと考えています。

これから、よくなった患者さんの診療経験をおりに触れ、コラムで紹介していきたいと思います。


清水良輔先生

皮ふ科しみずクリニック院長(皮膚科専門医) 1953年、神戸市生まれ。
白衣を着ない出で立ちと、髭・長髪がトレードマーク。
兵庫県神戸市にて、皮膚アレルギー疾患を専門とし長年診療を続け、これまで診てきたアトピー性皮膚炎の患者数は3万人以上。
約15年、国内の皮膚科としては唯一、心身医学的な観点からアトピー性皮膚炎を診療し、数多くの患者さんを精力的に治療している。
趣味:料理、旅行、スキー、サッカー観戦、競馬、南の島で心理本を読むこと
好きなこと:食べること
座右の銘:次善の策

略歴

1978年帝京大学医学部卒業
1983年神戸大学医学部皮膚科 助手・医局長
1994年神戸労災病院皮膚科 部長
2001年神戸大学医学部臨床助教授兼任
2002年神戸市灘にて開業(皮ふ科しみずクリニック) 現在に至る

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