アトピーちゃんのお弁当 前編

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2014年5月09日 [金]

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「かわいいお弁当が、食べたい…」
モモ(仮称)が4歳の時です。その日の朝は遠足のお弁当作りで朝からパタパタ慌てていました。私の隣にきて、娘のモモがぽそっとつぶやいたのです。一瞬うろたえました。(もしや…今流行の「キャラ弁」のことを言ってるのか? 不器用な母には無理だぞ…)と、心の中で答えつつ、明らかに希望に見合っていない作りかけのお弁当を、そぉっと隠しました。
そう言いたくなるモモの気持ちも、よく分かります。

普段は給食があるので、お弁当を持っていくのは遠足や運動会の時。当然、子ども同士で見せ合う率も高くなります。
黄色やピンクのおかずで彩られたお友達のお弁当に比べると、自分のは全体に茶色っぽくて子供向けじゃないというか、実力はあるけど面白みに欠けるおかず達。
作っている私も「地味だな…」と、独り言を言ってしまうくらい渋い配色になっています。テレビ番組に例えると、「おもしろくて夢中になるアニメ」と「つまらないけど、ためになるニュース」ほどの差があるわけです。
お弁当箱のふたを、ぱかっと開けた時どっちが嬉しいか…?
「ポケモン」対「NHKのニュース」…「ニュース」なおかずを見たときの、がっかりしたモモの顔が目に浮かぶのですが、アレルギーや栄養のことを考えて作ると、どうしても地味になってしまいます。
冷凍食品を使わないで全部手作りで頑張っても、子どもに喜んでもらえないのは、ホントにホントに残念!

子どもにとってお弁当は「彩り」が一番、栄養は二の次なのは分かっています。
アトピーだから我慢して欲しい、とは絶対に言いたくない。

キャラ弁はできなくても、何とか工夫して、ちょっとでもかわいく見せられないかしら…。

次回の後編で、地味なお弁当を変身させる方法をお伝えしますね。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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