アトピーライフの始まり

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2013年12月25日 [水]

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2005年3月の始め、真夜中にマンションのベランダで、生後11カ月になった娘をあやしながら、新米ママの私は途方に暮れていました。
泣きやまないときは、スリングを使い、抱っこしてハンモックみたいに優しく揺らしながら授乳すると、少しずつ落ち着いてきます。でも、この頃は毎晩のように激しく泣いてむずかります。原因は全身に出ている、銭形状の赤く腫れ上がった湿疹です。
かゆがったら処方された軟膏を塗って、抱っこして、欲しがればおっぱいをあげる。それしかできない、まったく無知で無力な母親でした。
湿疹が出始めたのは、生後10カ月の頃です。アトピー性皮膚炎と、「卵」「牛乳」の食物アレルギーと診断されました。
自分の子供がアトピーだなんて…食物アレルギーだなんて…信じられない…親戚にだっていないのに、どうして?職場復帰のために、保育園に預け始めたのダメだった?それとも本格的に離乳食をスタートしたことが悪かったの?妊娠中にソフトクリームがやめられなかったのが、いけなかった?卵かけご飯も、たくさん食べたっけ。
そんな答えの出ない質問ばかりが、グルグルと頭の中で渦巻いていました。
気がつくと娘はおっぱいを口に含んだまま、すやすやと眠っていました。時計は深夜の1時を過ぎています。無防備な寝顔を見ていたら、涙が溢れてきて、そっとおでこをなでながら「ごめんねモモ(仮称)。かゆいのイヤよね。ママがんばるから、」と謝りました。
これが、私とモモのアトピーライフの始まりです。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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