年末の懺悔(ざんげ)

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2014年2月17日 [月]

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みなさんの幼い頃は、クリスマスにどんなごちそうを食べていましたか?
子どもの頃の私にとって、シャンメリーと苺のデコレーションケーキは無くてはならないものでした。

モモは食物アレルギーのため卵と牛乳を口にすることはできません。それでもモモが1歳のとき、「この子だって食べたいはず!」と勝手に想像して考えた末に、卵と牛乳を使わないノンアレルギータイプをお取り寄せすることにしました。
選んだのは直径17cmで5000円位、そこに消費税・送料を入れると6500円以上。我が家のお財布事情としては、かなり奮発しました。
期待が膨らむクリスマスの夜。苺、メロン、オレンジ、ラズベリーに、クランベリーと色鮮やかに飾られたケーキを見て、娘はニコニコしながら早速口に運びます。
その瞬間、スプーンを持った手が凍りつき、眉間にしわが寄り、表情が見る見る険しくなってくるではありませんか。そして一口だけで、決してそれ以上食べようとはしませんでした。

モモがケーキを食べるのは、生まれて初めてのことでした。どうやら今回のケーキの味は好きになれなかったみたいです。結局夫も私も食べきれず、心の中で「ごめんなさい」と言いながらゴミ箱へ。
それでも諦めきれず4歳のクリスマスまで続いた、ケーキのお取り寄せ総額は2万6000円。その9割が生ゴミと化し、夫には呆れられ…。
4年の間、残ったケーキに向かって懺悔するのが12月26日の恒例行事だった私です。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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