アトピーちゃんのお弁当 後編

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2014年5月12日 [月]

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今日は、前編の続きです。
「つまらないけど役に立つニュース」みたいな地味なお弁当を「面白くて夢中になるアニメ」的な彩り楽しいお弁当に、どうやって変身させたか?です。
遠足の当日朝に、かわいいお弁当のおかずを準備もなく短時間で作るなんて、とても無理です。作りかけたお弁当の中身は、野菜の煮物と焼き肉、プチトマトにきゅうりの塩もみです。彩りで足りないのは、ピンクと黄色。ピンクは、冷蔵庫にあった卵不使用のハムで代用してみましたが、地味さはあまり変わりませんでした。
そうです、お弁当の見栄えに欠かせないのはパステルカラーの黄色だったのです。黄色のおかずで、すぐに思い浮かぶのは、王道の「卵焼き」。ポケモンで言うならピカチュウ的存在として必須アイテムですが、モモは卵アレルギーなので 絶対に使えません。卵以外で、おいしそうな黄色の食材とうもろこしも常備されていません。
登園時間が刻一刻と迫っている中で、パニックになった私の頭で考えついた最高の方法。
それは…つまようじタイプのプラスチックでできたお弁当用ピックを、針山のようにおかずに刺す作戦。音符や動物の形をしたカラフルなピックは、食べられませんが地味なお弁当をにぎやかにしてくれました。
無謀に思えた苦肉の策が功を奏し、モモは楽しくお弁当を食べて帰ってくることができました。刺してあったピックは羨ましがるお友達にあげてきたと、嬉しそうに話してくれた笑顔が、私には何よりのご褒美でした。
目で楽しむのも食事には大切な要素。アトピーやアレルギーだからって諦めることはないのです。
刺すだけで華やぐピックの活躍で、地味なニュース弁当から何とか脱却できたのでした。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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