「かゆみの見える化」~掻く行動パターンを分解する~
[アトピー・ノート] 雫ゆき江
2015年4月13日 [月]
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「眠るまでの習慣の流れを詳しく観察してみて、その中で何か一つ変えてみたらどうでしょう?」
NPO法人アトピーを良くしたいの横井代表とお会いしたとき、娘のモモが毎晩掻いてなかなか眠れないという話に、返ってきた答えでした。
その意味が理解できず、ついオウム返しで質問してしまいました。
「観察・・・ ですか? 何か・・・ ですか?」
戸惑っている私に、かゆみに対する横井代表の考え方とその理由を丁寧に、具体的な方法で教えてくれました。
そして、最後にこう締めくくりました。
「…なので、たとえば寝る場所を変えてみる、寝る順番を変えてみるなど、何でもいいんですよ。大掛かりじゃなくても小さなことでもいいんです。
考えてみると、結構いっぱいありますよ。
いつも無意識にやっている習慣を意識して壊すことが大事なんです。
なるべく常識にとらわれずに柔軟に発想してみてみてください。」
早速、うかがった話をベースに
「お布団に入って眠り始めると掻く」
というモモの掻く行動パターンを、アトピーレコーディングに当てはめて分解してみました。
アトピーレコーディングは、「観察する」→「記録する」→「対処法を考える」→「実践してみる」→「効果を確認する」が一つのサイクルになっています。
ポイントは、記録することで掻いている状況を「見える化」し、掻く習慣を断ち切る方法を見つけ出して実践してみることです。
そういうことを意識し始めると、今まで見落としてきたことに気付くことができます。
「自宅の寝室に行く」→「布団に入る」→「カラダが温まってくる」→「かゆくなる」→「掻く」→「目が覚める」→「さらに掻く」
このサイクルが、ほぼ毎日。一度目が覚めてしまうと、なかなか寝付けないモモのかゆい部分に、塗り薬でマッサージするようにさすりながら眠気が戻ってくるのを待つ夜は、切ない気持ちになります。
でも不思議なことに、旅行や友達の家にお泊りしたときは、ほとんど掻かずに、すぅっと眠りにつくことができていたのです。
これはかゆいからということもありますが、もしかして「習慣」もあるかもしれないと考えることができました。
そうは思っても、生まれてから8年間続いた習慣です。たった一つの何かで、果たして掻くことを減らすことができるのかしら?
そして、何を変えることができるのでしょう?
この続きは、次回の「かゆみの習慣を壊すパジャマ」でお伝えしたいと思います。
雫ゆき江
1971年、栃木県宇都宮市生まれ。グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。