角質層って何からできているの?

[アトピー・ノート] 松峰啓真

2013年12月10日 [火]

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アトピー肌でもそうでなくても、スキンケア製品のキャッチコピー、「角質層の奥までうるおいを与えます」といわれる角質層って、どういったものかご存知ですか?今日は、「角質層」について。
前回、お話した表皮の一番上にあり、水分を保ち、外からの侵入物を防ぐ働きをもつところが角質層です。層を作る細胞は、既に死んでいますが、一番上は、ラップフィルムのように、そして、その下は、まるで落ち葉を敷き詰めているかのように細胞が並び、体を守っている皮膚の一番上の部分です。

角質層を作るもの

角質層は、角質細胞が作るケラチン、脂質など様々な物質から出来ているので、簡単に紹介します。

ケラチン

角質細胞の骨組みです。角質層の上の方ではアミノ酸に分解されて保水機能、紫外線吸収機能をもち、NMF(天然保湿因子)と呼ばれています。

周辺帯

角質細胞の細胞膜の内側に存在し、水に溶けないタンパク質で出来ています。角質細胞が上の方に移動する過程で作られ、角質細胞を強固にしています。

角質細胞間脂質

セラミド(約50%)、コレステロール(約30%)、遊離脂肪酸、硫酸コレステロールなどがあります。もともとは細胞内に存在するものですが、細胞が死ぬときに細胞の外に分泌され細胞間を満たし、皮膚の保湿に重要な役割を果たしています。なお、硫酸コレステロールは、角質細胞の層構造を接着、安定化させる働きがあります。
「NMFアミノ酸配合」「セラミド配合」とうたっているスキンケア製品は、実は、こうした皮膚本来が作り出し、皮膚を守る成分を補っていることがわかります。
アトピーの肌は、乾燥が進み上記のような成分が十分ではないことが多くあります。
肌を構成する成分をしっかり補い、健康な肌に近づけてあげましょう。

(参考文献:あたらしい皮膚科学 第2版)


松峰啓真

ファルマボタニカ株式会社 研究開発部 品質管理室 室長
薬剤師。東京理科大学卒。2年間の米国留学を経て、アレルギー専門クリニックの処方箋取り扱い薬局で薬剤師として勤務。2008年より現職に就任。アレルギー対応スキンケア製品の輸入販売、自社開発製品の品質管理・製品開発に携わる。2010年にオーガニック植物を使用した精油とスキンケアのブランド「Organique」の立ち上げに参画し、現在はアサイーオイルをはじめとする高機能オイルの研究に注力している。マスターズ水泳でも活躍中。

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