もっと深く、肌のことを知ろう!

[アトピー・ノート] 松峰啓真

2013年12月10日 [火]

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乾燥、色素沈着、かゆみなど、悩みが多いアトピー肌ですが、皮膚の構造を知っていますか?皮膚の構造を知れば、今後の治療やスキンケアに対する意識が高まり、より効果的なケアができます。ベーシックな肌構造を確認してみましょう!

皮膚の構造

皮膚の構造を簡単に「表皮」と「真皮」に大きく分けることができます。今日は、厚さがわずか「0.2mm」しかないのに、体の水分を保ち、侵入物から体を守る表皮についてです。
表皮は、真皮に引き続き、内側から「基底層(1層)」「有棘層(5~10層)」「顆粒層(2~3層)」、そして、一番外側の「角質層」までの4層構造をとります。そして、それぞれの層で細胞の層があり、次のような特徴があります。

基底層(1層)

真皮と結合し、角質細胞が作られるところです。ケラチンを含む細胞が作られています。

有棘(きょく)層(5~10層)

基底層で作られた細胞同士が棘(とげ)でつながっているように見えるからだそうです。層の上に行くほど細胞が扁平になっていきます。

顆粒層(2~3層)

細胞がさらにつぶれたように扁平になります。セラミドや脂質などが細胞の隙間に放出され、角化や保湿などに関係しています。

角質層

表皮の一番外側で、いわゆる垢となって剥がれ落ちる部分。顆粒層のすぐ上で細胞の形が失われ、層のようになり、さらに上の層では膜のようになります。角質層の細胞は細胞膜が厚く、顆粒層との間には、物理的な刺激や化学的な刺激に安定なタンパク質から作られる周辺帯があり、細胞膜を補強しています。落ち葉を敷き詰めたように並ぶ細胞(ただし核がないので既に死んでいます)が、約10層連なります。まるでラップフィルムのように体を覆い、水分を保ち、侵入物を防ぐように働いているのです。

表皮を作る95%が上記の角質細胞です。基底層で生まれ、変化をとげながら、体を守り、最後は垢となって剥がれ落ちていきます。残りの5%は、メラノサイトやランゲルハンス細胞、メルケル細胞など、色素や免疫、知覚に関係する細胞です。わずか0.2mmの表皮が私達の体を守っているのには、驚きですね。

(参考文献:あたらしい皮膚科学 第2版)


松峰啓真

ファルマボタニカ株式会社 研究開発部 品質管理室 室長
薬剤師。東京理科大学卒。2年間の米国留学を経て、アレルギー専門クリニックの処方箋取り扱い薬局で薬剤師として勤務。2008年より現職に就任。アレルギー対応スキンケア製品の輸入販売、自社開発製品の品質管理・製品開発に携わる。2010年にオーガニック植物を使用した精油とスキンケアのブランド「Organique」の立ち上げに参画し、現在はアサイーオイルをはじめとする高機能オイルの研究に注力している。マスターズ水泳でも活躍中。

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