アトピーっ子の特効薬 前編
[アトピー・ノート] 雫ゆき江
2015年3月06日 [金]
おすすめアトピー記事
アトピー性皮膚炎シンポジウム 清水先生のお話を聴いて

アトピーに特効薬があったら…救われる人がたくさんいるはず。
わたしも、「きっといつか魔法の特効薬ができてほしい」と思う1人でした。
この日までは…。
2013年1月26日のアトピー性皮膚炎シンポジウムのパネルディスカッションで、同じ思いで質問された方がいました。
清水先生から、どんな回答が返ってくるのか…期待と不安が入り混じった複雑な気持ちで注意深く聴いていました。
「システムの在り方が大切」
というのが、先生のお答えでした。
子どもを取り巻く「家族」というシステムが元気であること、特にお母さんが元気であることです。と、おっしゃっていました。
小さな子どもにとって、アトピーの症状に効果的なのは、「笑顔」。
特に、「元気なママの笑顔」だと諭されて、ハッとしました。
我が子が心配で治そうといろんなことにがんばりすぎて、気持ちが疲れ果ててしまうことがあります。自分のことまで気が回らず、こわばった顔にタテジワがうっすらついた眉間を鏡で見てビックリ。あわてて指でシワをごしごし擦ったことも…。
そんなときは笑顔がなくなっています。
ママから笑顔が消えると、子どもは不安になる。
ママがにっこりしてくれないのは自分のせいだと思って、
「もっとがんばらなくちゃ」と、子どもは自分を追い詰めていく。
それに呼応するかのようにアトピーの症状がひどくなって…。
振り返ってみると、アトピーの症状がひどくなったときは、何となく私の心がピリピリしていました。
「こんなに、がんばっているのに、どうして…」
という自分を責める気持ちが、モモにも伝わっていたのでしょう。
ところで、特効薬というと即効性のある強い薬のイメージがあったので、意味を調べるとちょっと違いました。
とっこうやく【特効薬】
1、ある病気・症状などに対して、すぐれたききめのある薬
2、計画や事業などを進めるについての障害を解消するために優れた効果のある対策
「デジタル大辞泉」調べ
思い込みや既成概念を取り外してみると、特効薬が飲み薬や塗り薬だとは限らないことに気づきました。モノではない「笑顔」という特効薬の原料は、「ママの元気」だと心に刻んだ日になりました。
雫ゆき江
1971年、栃木県宇都宮市生まれ。グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。