かゆみのスイッチ

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2015年1月09日 [金]

おすすめアトピー記事

「いいなぁ…○○ちゃんの足はスベスベで。モモなんか、こんなんだよ!」自分のひざ裏を指差しながら、私に向かってモモがおどけて言いました。

今日は、チアリーディング(以下チア)の発表会。頭の先からつま先まで全身お揃いのユニフォームを身にまとった、小学生チアリーダーたちは、とても華やかでかわいらしく、会場でひと際目立ちます。

ユニフォームは黄色のトップスにピンクのボトムと色鮮やか。特にスカートとパンツの重ね着を一体型にした「スカッツ」はホントに超ミニ丈で足を強調しています。足を上げる動作の多いチアならではのファッションです。

この日モモは、ひざ裏にひどくアトピーが出ていたのでかゆいやら恥ずかしいやら。掻きすぎて赤く腫れ、少し血がにじんでいました。お友達の足が自分と比べてきれいなことを羨ましく思っていました。

私も、これ以上ひどくなっては辛いだろうと思い「どうする?お薬塗る?」と、聞くと「やめとく。もう大丈夫」といって、着替え始めたのですが、きっと掻き続けるだろうなぁと心配で見守っていました。

でもチアのユニフォームを着た瞬間から、ピタッと掻かなくなったのです。

そして、本番。音楽が始まったら思いっきりリズムにのって踊りだします。

曲はディズニー映画、ハイスクールミュージカル2の「ホワット・タイム・イズ・イット」。
チアリーディングは、どんなに辛くてもかゆくても痛くても絶対に笑顔を絶やしてはいけません。なぜなら、人を応援するスポーツだから!

あふれる笑顔と明るい掛け声、パワフルなダンスで勇気と元気を発信して、がんばっている人々を応援するのです。

チアリーダーになったモモは、満面の笑みでかゆさを微塵も感じさせることなく演技しました。まるでかゆくなくなったみたいです。

そして無事に終わって家に帰り、ユニフォームを脱いだ直後。

「ママ~、お薬塗ってぇ~!!」

「えっ! なんで?」と、ビックリして聞いてしまいました。ついさっきまではかゆくなかったのに、ユニフォームを脱いだ瞬間かゆくなってきたというのです。

どうやらモモにとって、ユニフォームを脱ぐ瞬間が「かゆみのスイッチ」だったようです。

この「かゆみのスイッチ」がついているところは、人それぞれ。あなたの「かゆみのスイッチ」はどこですか?

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

興味のあるタグをクリック