サプリメントなどを持ってくる父が嫌だった
[アトピー・ノート] 赤城智美
2015年6月08日 [月]
おすすめアトピー記事
お父さんが薬剤師で、アトピー性皮膚炎に効果があるというサプリメントや、エキス類、入浴剤、クリームなど、とにかくいろんなものを職場から持ってきて、「これは効くから」と使うようにおしつけられました。
お父さんも私のアトピー性皮膚炎を治そうと必死なんだろうけれど、それを中学の頃からずっと続けられていた私は、治すことも、父のそういう押しつけがましいことにも嫌気がさして、家族とずっと口を利かなくなりました。
アトピー性皮膚炎も良くなったり悪くなったりすっきりしなくて、これから先のことに希望が持てなくて、卒業間近になっても就職も受験もせずに家に閉じこもっていました。
卒業式だけ出席したのですが、久しぶりの外出ですごく疲れてしまってベッドによりかかって座ったまま眠っていたら、気がつくとお父さんが私の手を握って声をこらえて泣いていました。
腕と指先の症状が一番ひどくて、それを見たからなのかな? どうして泣いているのかな? なんて思いながらばつが悪くて寝たふりをしていたら、お父さんはそのまま長いこと座っていました。
お父さんが私の手に触れるのは何年ぶりだろうと思ったり、なんで突然こんなことをするのだろうと思ったり、気持ち悪い感じもして、複雑な気持ちもあったけれど、少しうれしくもありました。
その時にお父さんも苦しかったのかなと思えて、なんとなくいろんなことがふっきれました。
赤城智美
NPO法人 アトピッ子 地球の子ネットワーク専務理事/事務局長。アトピー・アレルギー性疾患の患者とその家族、子どもや女性の暮らしを支援することをとおして、人と自然が共生し多様な価値を認めあい、誰もが共に生きることができる社会の実現をめざして活動する、発足18年目のNPO法人。電話相談、調査研究、イベント企画立案と実施、講師派遣、執筆、電話相談窓口開設や開設後のサポート、他商品開発や表示についてのアドバイスも行っている。 Webサイト「食物アレルギー危機管理情報(FAICM)」運用中