私の肌を見てギョッとしていた

[アトピー・ノート] 赤城智美

2015年2月02日 [月]

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栃木県の黒磯に古くからの友人が住んでいる。

突然思い立って会いに行ったとき、とりあえず温泉のありそうなところを予約した。

当時は道端に雪かきの跡が残り、道の下方には湯気の立つ幻想的な場所があった。

聞けばそこは夜になるとたくさんの人が集まる露天のお湯なのだそうだ。

そんなに大っぴらなところはイヤだけれど、普通の温泉ならまあいいかと旅館の広い風呂に入ろうとすると、脱衣所で注目を浴びてしまいなんとなく勇気がなえて家族風呂に移動した。

夏に虫に刺された場所が全て500円玉大に膿んで、冬になってようやく乾いて傷跡となり黒々としたまま、まるで豹柄のような手足がやたらと目立ってしまうのだ。

私も傷口から感染する恐れもなくなり、もちろん周りの人には何の影響もないのだけれど、日ごろ見慣れないものを見ると、人はギョッとしてそのまま目が離せなくなってしまうものらしい。

そんな訳でいくつかある家族風呂からころあいのいいところを選んで、4~5人は入れそうな浴槽に一人ゆったりと浸かって温泉を堪能した。

仕事で煮詰まり、将来へのぼんやりした憂鬱がなんだかすっきり晴れてしまって、友人一家が経営する土産物屋ですっかりおおらかになってお茶椀やティーカップを買い込んでしまった。

これも旅の効用のうちということになるのかな。

赤城智美

NPO法人 アトピッ子 地球の子ネットワーク専務理事/事務局長。
アトピー・アレルギー性疾患の患者とその家族、子どもや女性の暮らしを支援することをとおして、人と自然が共生し多様な価値を認めあい、誰もが共に生きることができる社会の実現をめざして活動する、発足18年目のNPO法人。電話相談、調査研究、イベント企画立案と実施、講師派遣、執筆、電話相談窓口開設や開設後のサポート、他商品開発や表示についてのアドバイスも行っている。 Webサイト「食物アレルギー危機管理情報(FAICM)」運用中

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