食物アレルギーの不安

[アトピーQ&A] 赤城智美

2013年11月28日 [木]

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Q

卵、乳、小麦にアレルゲンがあります。1歳半からアレルゲン除去をしていましたが、入学前から解除をはじめて、卵は二次加工品ならだいたい食べられるようになりました。
乳、小麦は解除が進まない状態です。少量の負荷でも蕁麻疹、呼吸困難がおこります。
主治医は、もう少し成長を待ちましょうと言いますが、大きくなって行動範囲が広くなったら食事を管理できなくなるのではないかと思いとても憂鬱です。(小学3年男子)

A

子どもの成長はうれしいけれど、食物アレルギーのある子は他の子よりも危険がいっぱいです。
それでもやっぱり自立心の芽ばえた子の心の芽は摘みたくないし……先のことを考えると不安になるのは最もです。
子どもは学年があがると当然ながら、行動範囲が広がります。学校の1泊旅行にとどまらず、友達や親戚の家に1人で遊びに行ったり、友達とつれだって買い物に行くこともあるでしょう。
そんな折にはかくれ食べをする可能性まであるかもしれません。
年齢とともに解除が進むことが望ましいのですが、それがゆっくりでないと進められない人もいるのだと思います。
安全を確保するために全ての行き先に親がついて行ったり、先まわりして食べ物を準備することは不可能なので、本人が危険や安全を理解し危険回避を実行できるよう、乳成分はどんな食物に含まれているか、小麦で作られている食品はどんなものがあるか、一見小麦が入っていないように見えて実は混入の可能性が高い食品はどれか、など、理解し行動できるように小さい頃から練習するとよいと思います。
ポイントは「大事なことなんだからね。しっかり覚えなさい」と深刻な顔をして話さないように。食べ物のことが「不愉快」に繋がってしまわないように工夫してください。
発症したときの対処も日常的に練習すると、本人の自覚を促せるのではないでしょうか。

赤城智美

NPO法人 アトピッ子 地球の子ネットワーク専務理事/事務局長。
アトピー・アレルギー性疾患の患者とその家族、子どもや女性の暮らしを支援することをとおして、人と自然が共生し多様な価値を認めあい、誰もが共に生きることができる社会の実現をめざして活動する、発足18年目のNPO法人。電話相談、調査研究、イベント企画立案と実施、講師派遣、執筆、電話相談窓口開設や開設後のサポート、他商品開発や表示についてのアドバイスも行っている。 Webサイト「食物アレルギー危機管理情報(FAICM)」運用中

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