悪化因子に気をつけ、再発を防ぎましょう 4

[再発予防と生活するうえで気をつけたいこと] 古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

2015年12月03日 [木]

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ストレスは早めに解消しましょう

アトピー性皮膚炎の再発は、かぜにたとえることができます。かぜは体の抵抗力が弱くなったときに引きますが、アトピー性皮膚炎は体に負担がかかったり、ストレスがたまったりして、無理が生じたときに症状がおこります。幼児なら転園が再発の引き金になることもありますし、学校に通うようになると転校や受験、友人関係の問題が発端となって再発することがよくあります。大人では転職、転勤、人事異動のほか、深夜勤務、過労、昇進などもきっかけになるようです。

再発させないためには、今の暮らしの環境を変えないことがいちばんですが、社会生活を営んでいる以上、そういうわけにもいきません。人間関係も自分の思いどおりにいくものではありません。ですから、「体に負担がかかっているな」と思ったときや、「子どもが無理をしている」と親が感じたときは、少し早めにストレスの回避や解消の対策をとりましょう。受験がストレスになって再発した場合、合格すると治ってしまうというケースもよくみられます。ふだんの生活では睡眠をしっかりとり、糖分や油分が少なく、栄養バランスのよい食事をしましょう。これに加えて、趣味や運動などでストレスを解消することがたいせつです。

(正しい治療がわかる本 アトピー性皮膚炎 平成20年10月30日初版発行)

古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

1980年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部附属病院皮膚科学教室入局。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。

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