転地療法 2
[これが基本となる正しい治療です] 古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授
2015年10月01日 [木]
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効果はありますが、簡単にできません
では、なぜ転地療法は効果があるのでしょうか。
それは環境が変わることにあります。アトピー性皮膚炎では、夏に悪化する人、冬に悪化する人など、季節や気候によって症状が軽快したり、悪化したりします。
そこで、夏の湿気やジメジメした環境で悪化しやすい人は空気の乾燥した地域に、反対に冬の乾燥で悪化する人は、少し湿度の高い地域に住むと症状が軽くなります。実際、気候のよいところに移り住めば、症状がきれいに治ることは確かです。
しかし、残念なことに転地療法は誰もが簡単にできるわけではありません。このような現象からみても、アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患というより生活環境に強く影響される病気であるといえるでしょう。
(正しい治療がわかる本 アトピー性皮膚炎 平成20年10月30日初版発行)
古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授
1980年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部附属病院皮膚科学教室入局。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。