増えるアトピー&アレルギー対応食品

[アトピー・ノート] 須永晃子

2015年11月02日 [月]

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アトピーやアレルギーの方は、どうしても「特定の食べものを避ける」という食事の概念を持ちやすいのですが、増えつつあるアレルギー対応食品を活用すれば、積極的にさまざまな食事を楽しむことができるようになってきました。
今回は、アトピーやアレルギーの方を対象として工夫された食品をご紹介します。

現在、日本でアレルギーの表示が義務付けられているのは、卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かにの7品目。さらに、あわび、いか、いくら、さけ、さば、オレンジ、キウイフルーツ、バナナ、もも、りんご、牛肉、鶏肉、豚肉、ゼラチン、くるみ、大豆、まつたけ、やまいもの18品目が表示を推奨されています。

もちろんこれがすべてということではなく、表示が義務付けられているもの及び推奨されているもの以外でも、アレルギー反応を起こす方もいらっしゃいます。患者数の多さや症状の重さなどによって、表示のルールが見直されているため、実際はアレルギーを引き起こす可能性がある食品は増えているのが現状です。

しかし、アレルギー反応は個人差も大きく、食品によって、またその時の状況によって変化しますし、同じ人でも突然反応したりしなくなったりなど、その因果関係は複雑なものがあります。だからこそ、アトピーやアレルギーの方は、食事に対してどちらかというと臆病になりがちなのではないでしょうか。でも、ご安心ください!そのような方のために日々食品開発も進んでいます。アレルギーがある方でも、できるだけいろいろな食事を楽しめるように、今、さまざまなアレルギー対応食品が専門医の考案と指導を受けながら製造されています。

例えば、日本食に欠かせない味噌や醤油の調味料。これらは、代表的なアレルギー食品である大豆や小麦を使っていますが、なんと、大豆や小麦を使わないで製造される味噌や醤油があります。
では、何を使っているのかというと、お米や雑穀など別の穀類です。米、粟、キビ、ヒエ、キヌアといったさまざまな穀物と塩で作られた醤油や味噌があります。これで、大豆や小麦アレルギーの方も、安心して和食をいただけますよね。

また、小麦は、パンや麺類など主食としても大切な食材になりますが、小麦アレルギーの方のために、小麦グルテンを含まない米粉で作ったパンや麺も開発されるようになりました。アレルギー対応のパンは、バターの代わりに菜種油が使われていたりするので、大豆アレルギーや乳製品アレルギーの方にも安心です。
小麦の代わりに米粉やヒエなどの雑穀の粉を使って焼いたクッキーなどのお菓子もあります。

牛乳の代替としては、豆乳に加え、最近はライスミルクやアーモンドミルクなども登場するようになりました。市販の加工品で乳製品を含むアレルギー対応の加工品は、以前はなかなか手に入りにくかったのですが、最近はさまざまな工夫を凝らされたものが増えています。

マヨネーズもアレルギー対応のものがあります。大豆はもちろん、マヨネーズの美味しさの元になる卵も使用しないマヨネーズも市販されています。
牛乳アレルゲンを含まない香料と圧搾のなたね油を使用している、アレルギー用のマーガリンもあります。

アトピーやアレルギーの方が食べたいけど避けなくちゃ・・・と悩ましいクリームなどもアレルギー対応のものも作られているので、スイーツも安心して食べられる機会も増えています。以前のコラムでもご紹介しましたが、チョコレートアレルギーの方には、キャロブというマメ科の植物の粉を使ったスイーツがチョコレートの代替スイーツとしてあります。

こうしたアトピーやアレルギーの方にも優しい食品が、これから様々な種類が増え、クオリティも進化していくことを期待したいですね。みなさんも、さまざまなアレルギー対応食品を探して活用し、バリエーション豊かな食生活を楽しんでくださいね!

須永晃子

米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー
ヒーリング・フード・コンサルタント。津田塾大学英文学科卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科農学国際専攻環境経済学研究室にて「有機農業」を研究。農学修士。”心身のホリスティックな健康を保つ”「ヒーリング・フード」をコンセプトに、講演やセミナー・イベントを開催。食生活とライフスタイルのアドバイスを中心としながら心身の健康改善に導く<ホリスティック・ヘルス・カウンセリング>を行う。著書『心を癒すたべもの ヒーリング・フード』、『リアル・オーガニック・ライフ』等。

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