肌にも善玉菌と悪玉菌が存在する!?

[アトピー・ノート]

2015年7月30日 [木]

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アクネ菌、実は善玉菌!?

最近「腸内フローラ」という言葉が話題になったように、ヒトの腸内には、“善玉菌”と“悪玉菌”と呼ばれる細菌が常に混在しています。これは常在菌と呼ばれ、同様のことが顔の肌でも起こっている、と語るのは東京女子医科大学皮膚科 出来尾格先生。自身の皮膚常在菌のバランス等がわかる「美肌菌ドック」を株式会社クリニカルパスが開発し、6月から東京イセアクリニックにて提供をスタートしました。

皮膚の常在菌のうち、肌質に影響が大きいと考えられるのは、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、アクネ菌の3つ。このうち、いわゆる悪玉菌が黄色ブドウ球菌です。黄色ブドウ球菌は、アトピー性皮膚炎で症状が悪化する際に、異常に増えることが最近わかってきました。一方、善玉菌の部類に入るのは、表皮ブドウ球菌です。紫外線や水分の蒸散から肌を守るほかに、肌を弱酸性に保ち、黄色ブドウ球菌などの悪玉菌を排除する働きがあります。

そして、善玉・悪玉双方の顔を持つのがアクネ菌です。アクネ菌は、毛穴に常在していて、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まることで増殖。毛穴が炎症を起こした結果、ニキビができます。そのため、除菌されることも多いアクネ菌ですが、ニキビをつくるアクネ菌は特定種のみで、それ以外は肌を弱酸性に保ち、悪玉菌を抑える働きがあります。

肌の洗いすぎは善玉菌を減らす可能性も?

皮膚常在菌は、特定の菌が多すぎても少なすぎてもよくありません。善玉菌は再増殖に8~10時間かかるため、ニキビ予防などで1日に複数回の洗顔をすると、増殖ができずに減っていってしまうといいます。ほかにも、角質をはがすようなこすり洗いやアルカリ性の温泉への入浴、30分以上の長風呂などは菌を減少させることがあるため、注意が必要とのこと。肌を清潔に保つことは大事ですが、善玉菌を減らすような入浴法などをしていないか、一度見直してみるとよいかもしれませんね。(QLife編集部)

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