小学生モモのアトピーレコーディング体験記 後編
[アトピー・ノート] 雫ゆき江
2015年8月17日 [月]
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前回は、アトピーレコーディングを始める動機についてお話をしました。
何か新しいことを習慣化させるためには、最初の取り掛かりが重要です。楽しくてヤル気が出る、そして、ちょっとだけ難しいアイテムがいい。
「難しさの度合い」が、「ほんのちょっと」というところがポイントです。
簡単すぎてもすぐ飽きてしまうし、難しすぎるとイヤになっちゃう。新しく始めたことを長続きさせる肝です。
モモにとって今、ピッタリ当てはまるものが「パソコン」でした。
家にあるパソコンはママのお仕事用の大きいデスクトップ型で、絶対に触っちゃいけないものです。今回ノート型を用意して、触っていいパソコンができたことで、モモのワクワク度はMAX!
モモの通う小学校では、3年生から時々パソコンの授業があります。ローマ字入力を少し習っているので、家でもローマ字の表を用意しました。
「ちぇ」や、「しょ」などは難しく、紙に書くようにはいかなので、もどかしさがあります。それが自分の力で表示できた時の嬉しさは、手書きとは一味違います。
人差し指一本で、一つ一つキーボードをたたくと、画面に文字が出てくるのが楽しくて、とっても新鮮。ちょっと大人になった気分にゲーム感覚も加わって、日記を書く時間が待ち遠しくなりました。
モモが入力しているときは、そばで見守ります。
そうです。見守って言葉でサポートするだけです。モモの場合、手を出しすぎちゃうと、やる気がしぼんでいっちゃうことがあるので。
困ったときだけヒントをあげて、自分で考えて答えを出したときの成功体験が「明日もやろう」という気持ちにつながっていきました。
アトピーレコーディングの入力方法は基本的にボタンをクリックするだけの簡単な操作なのですが、最後に日記を書く欄があります。
「自由に思ったことを書いていいんだよ」と教えて、初めに書いた内容はこうでした。
「今日は、チアの成果発表会がありました。
ちょっと、ミスがあったけど思いっきりできたことが、楽しかった。」
モモはこの2行を書くために、全神経を人差し指一本に集中して打つこと10分弱。書きあがって達成感一杯です。
まったくアトピーと関係ないので、つい苦笑。もうちょっと、かゆかったときのことを書いてみたら・・・などと、云いたくなってしまうのですが、ここはぐっと我慢です。
始めたばかりで脇からあれこれ言われるのは、せっかくのやる気の火種に水をかけてしまいそうですから。
とにかく細かいことには目をつむって、日記をスタート。始まりは好感触です。
雫ゆき江
1971年、栃木県宇都宮市生まれ。グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。