アトピーがひどくなったら、困る人は誰?  前編

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2014年9月05日 [金]

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ある寒い夜にお風呂で娘のモモが言いました。
「アトピーがひどくなったら、ママが困るもんね」

みなさんはこの言葉から、どんなことを感じますか?
ママのことを思いやる優しい子?
それとも、素直じゃないわでしょうか?

私はとっさに後者を感じてしまいました。

湿疹がひどくなっていたモモに「ねぇモモ。カユカユがひどくなると大変だから、スポンジで体を洗うのはやめよう。」とアドバイスしたときに返ってきた言葉なのですが、湯船でゆるんでいた体が一瞬硬直し、頭の中で「???」が浮かびました。

この子は何を言っているんだろうか?かゆくなって辛い思いをするのは私じゃない。モモを見つめながら、それをどう伝えたらいいか言葉を選んでいるうちに、だんだん腹が立ってきました。

「かゆくなって困るのはモモでしょう?スポンジをこすっちゃダメな理由くらい、どうしてわからないの?」

少しイライラしながら話す私を、モモは何か言いたげに見ていましたが一言も反論しませんでした。

やりたいことを止められたことにすねて言ったのだろう、と思い込んでいた私はお風呂から上がった後もモヤモヤした気持ちが治まりません。

支度を済ませた後に、ちゃんと自分のカラダを考えなさいと諭すように、でもキッパリと伝えた時です。

「ママが困るからではなくて、かゆくない方が楽でしょう?」

うつむいてじっと聞いていたモモは、目に涙をいっぱい溜めながらこちらを見ました。

モモが泣いてしまった理由は、後編にお話しますね。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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