代わりに掻いてあげることで癒される心 後編

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2014年8月13日 [水]

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前編でお伝えした「ママが掻いてあげちゃおう!」は、まるで二人羽織のゲームをしているようです。かゆいところにすぐ手が届かず、届いても丁度良い力加減をいちいち伝えなくちゃならないもどかしさ。逆にうまく誘導できたときは自分の手より気持ち良い!

私「ここかな?こっちの方?」と探るように、背中や肩を指の腹で軽く撫でながら尋ねます。

モモ「もっと下、そこ… もうちょっと真ん中… あ~、そこ、もうちょっと強く…」
かゆいから始めたはずが、ゲーム感覚で面白くなってかゆさを忘れてしまうこともありました。

時には掻いても掻いても次から次にひどいかゆみが続くこともあります。そんなときはやっぱり代わりにバリバリと音を立てて掻いてあげます。

血が出ても、せがまれるまま掻き続けます。肌に悪いのは分かっていますが、それでもモモの気持ちが納得するまで十分に掻いてあげることが大事な気がします。

しばらくすると、かゆみで辛く不安だった心が落ち着いて「もういいよ、大丈夫」と自分から言ってくれた後、塗り薬と包帯を巻いて、「かゆくなくなって良かったね」と伝え、ぎゅっと抱きしめます。

繰り返していくうちに、掻く時間が少しずつ短くなっていきました。

かゆくて辛いとき、一番手当てして欲しいのは、かゆさに疲れた心。
かゆさは代わってあげられないけれど、掻くのは代わってあげられる。
ママの手はどんな薬よりも効果絶大です。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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