アトピーの原因は不明！？　前編

アトピー性皮膚炎の原因は未だ解明されていません。ダニが悪い、日光が悪い、ホコリが悪い、チョコレートが悪い、タバコが悪い、お酒が悪い、食事を気をつけなければならない…などを聞いたことがありますよね。しかし、ここには医学的根拠はありません。
因みに去年、佐賀大学・九州大学の研究チームが、アトピーの原因はたんぱく質の結合にあるという発表をして一時話題になりましたが、薬ができるのには10年、20年の時間がかかりますし、本当に良い薬ができるかどうかはわかりません。もちろん、研究はとてもすばらしいことで必ず必要なことだと思っていますので、何とか副作用のない薬ができることに期待しています。
アトピーではなく、食物アレルギーだったら原因は明確ですよね。例えば卵アレルギーとか小麦アレルギーとか、その原因を除去するということができるのですが、アトピーの場合はホコリが悪いと聞いたからといって部屋を完璧に掃除してもなかなかアトピーは良くなってくれません。もちろんそれで良くなればもうそれはベストですよ！決して否定しているわけではないんです。でも、もし部屋を完璧に掃除したらアトピーが良くなるのであれば、絶対にみんなやりますよね。
ダニを除去し日光にあたらないようにして、部屋は常にホコリがなく、甘いものは一切食べずに、お酒もタバコもやめ、食事もいつも気をつけている。これでは普通の生活は全くできません。
どうしても人は原因を探したくなるものです。だって、何かが起きたときは原因を考える、いわゆる原因論の世界にいるのですから。しかし、どうもアトピーの世界はこれではうまくいかないことが多いようです。もちろん、例えばですが、タバコを辞めたらアトピーが良くなった！という方もいると思いますので、それ自体を否定しているわけではありませんよ。アトピーが良くなることが一番大切だと思っています。
そこで、原因探しをするよりも「どうすればアトピーが良くなるか」ということに注力する方が効果的に症状を良くしていくことができるように思います。
続きは次回にしたいと思います。