「アトピー」という名の守り札

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2014年4月09日 [水]

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神社仏閣のお守りにかかれている「無病息災」は、誰もが願う健康を象徴する言葉として知られていますが、「一病息災」ということわざもあるのをご存知でしょうか?
「病気もなく健康な人よりも、一つぐらい持病があるほうが健康に気を配り、かえって長生きする。」という考えだそうです。
この言葉を知ったのは娘が3歳の頃。「アレルギーっ子絵本・ふしぎの山のしんりょうじょ」というタイトルの一冊の絵本でした。
当時の私は、娘が食物アレルギーとアトピー性皮膚炎を持っていることは、母親である自分の責任だと思い悩んでいました。
そのストレスが心に重くのしかかり、かわいそうだ思う反面、周囲の大人に「かわいそうな子」という目で見られることにいら立っていました。
小さな要因で、時計の振り子のように病状が変化していくアトピーという病。その絵本では、症状はカラダに悪いことをしたときに出る黄色信号のようなものという捉え方をしています。
娘にアレルギーを理解してもらうつもりで取り寄せた絵本の言葉に、親の私の方が気付かされ、気持ちがふっと軽くなったことを覚えています。
娘を膝に乗せて何度も読み聞かせをしていくうちに、「アトピー」というお守りをもって生まれてきたのね、と思うようになりました。
一冊の絵本との出会いが、アトピーやアレルギーをかかえて生きる意味を、前向きに受け止めるきっかけになりました。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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