抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬 3

[これが基本となる正しい治療です] 古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

2015年5月21日 [木]

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抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の副作用について

ヒスタミンは皮膚にかゆみをもたらす物質ですが、脳や胃、肝臓などにも存在し、脳神経に情報を伝えたり、中枢神経に働いて血圧を調整したり、筋肉を収縮させる作用をしたりします。したがって、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬でヒスタミンの働きを抑えてしまうと、それらの脳の働きもシャットアウトされてしまいます。そのため、眠くなったり、体がだるくなったりすることがあります。

新しく開発された比較的眠くなりにくいといわれる第二世代の抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬でも、人によっては眠気などの副作用が出ます。車の運転や高い所での作業など危険を伴う仕事に従事するときは、服用は控えたほうがよいでしょう。

このほか、緑内障や前立腺(ぜんりつせん)肥大症にかかっている人が、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を飲むと症状が悪化することがあるので、注意が必要です。

(正しい治療がわかる本 アトピー性皮膚炎 平成20年10月30日初版発行)

古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

1980年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部附属病院皮膚科学教室入局。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。

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