掻いてもいいよ

[清水良輔先生の診察日記] 清水良輔先生

2013年11月02日 [土]

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アトピーの原因は解っていないものの、掻くことが悪いことは想像がつくと思います。医学的にも習慣的掻破行動(しゅうかんてきそうはこうどう)とよばれ、改善すればアトピーが良くなるという報告がなされています。

 

しかし掻くことを減らすことはたやすいことではありません。「掻くな」「また掻いているよ」と声をかけたり、掻いている手を止めるなどの周りの人々の努力はうまくいかないばかりか、かえって「つい掻いてしまう」という問題を継続してしまう結果となります。

 

「掻くな」といわれると余計に掻いてしまうぐらいですから、自分で「掻かないようにしよう」と思いをめぐらすだけではうまくいきません。

 

長年アトピーの掻破行動に関わってきて気付いたことを述べておきます。
総論的には爪を短くしたり、手袋をはいて寝たり、包帯を巻いたり、腕を縛って寝たり、根性でかゆみを我慢したり、などの常識的なアイデアはあまり役に立たないということです。かえってこするのが増えてしまったり、起きている間はなんとかなっても眠っている間に反動のように掻くことが増えてしまうケースが多いと思います。

 

スイッチが入ったら止まらないので、掻いていいと思います。擦ったり、叩いたりするより爪で掻いたほうがましです。掻くことの対策はスイッチが入る前のパターンに変化を起こすことです。そのためには、いつ、どこで、どんな姿勢で、何をきっかけに、どの部位から掻き始め、何処へ移動してゆくのか、どの位の時間、どの位のストローク数(往復)を掻いて、止まるのに何かきっかけはないのかを自分でモニターすることです。
毎日のことで大変ですが、取り組むならばだらだらやらず、良くなりたいというモチベーションが上がった時に一週間ぐらい集中して取り組むと良いでしょう。どんな作戦が役に立つかは個人個人で違うと思いますが、経験的に役に立った作戦は随時コラムで紹介していきます。

清水良輔先生

皮ふ科しみずクリニック院長(皮膚科専門医) 1953年、神戸市生まれ。
白衣を着ない出で立ちと、髭・長髪がトレードマーク。
兵庫県神戸市にて、皮膚アレルギー疾患を専門とし長年診療を続け、これまで診てきたアトピー性皮膚炎の患者数は3万人以上。
約15年、国内の皮膚科としては唯一、心身医学的な観点からアトピー性皮膚炎を診療し、数多くの患者さんを精力的に治療している。
趣味:料理、旅行、スキー、サッカー観戦、競馬、南の島で心理本を読むこと
好きなこと:食べること
座右の銘:次善の策
略歴
1978年帝京大学医学部卒業
1983年神戸大学医学部皮膚科 助手・医局長
1994年神戸労災病院皮膚科 部長
2001年神戸大学医学部臨床助教授兼任
2002年神戸市灘にて開業(皮ふ科しみずクリニック) 現在に至る

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