生活のなかで気をつけてほしいことがあります 6

[再発予防と生活するうえで気をつけたいこと] 古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

2016年3月03日 [木]

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化粧をしても大丈夫です

女性の患者さんのなかには、「色素沈着や赤ら顔を目立たなくしたい」という理由で、化粧をしたいと思っている方もいるでしょう。女性にとって化粧はとても大事なことです。「したくても、できない」という状態は決してよいとはいえません。

では、アトピー性皮膚炎になると化粧はしてはいけないのでしょうか。結論からいうと、そんなことはありません。刺激の少ない化粧品を使えば、OKです。むしろ、化粧をすることで自分に自信をもつことができて、外出する機会が増えるとしたら、それは、大きなメリットといえます。

最近では、成分にこだわって皮膚への刺激が少ない化粧品が何種類か出てきています。下の図を参考に、テスター(試供品)などでパッチテストをして、問題がなければ、どんどん化粧を楽しんだほうがよいでしょう。

万が一、化粧をしていて皮膚の状態が悪くなったときは、使っていた化粧品を持参しかかりつけの医師に必ず見せましょう。アトピー性皮膚炎が悪化したのではなく、化粧かぶれがおこっている可能性もあるからです。

化粧品は使用前にパッチテストをしましょう

(正しい治療がわかる本 アトピー性皮膚炎 平成20年10月30日初版発行)

古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

1980年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部附属病院皮膚科学教室入局。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。

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