生活のなかで気をつけてほしいことがあります 4

[再発予防と生活するうえで気をつけたいこと] 古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

2016年2月04日 [木]

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かゆみが出たら皮膚をかかない工夫をしましょう

健康な人でもちょっとした刺激でかゆみが出るように、アトピー性皮膚炎の患者さんもなんらかのきっかけでかゆくなることがあります。かゆいからといって患部をかいてしまうと、皮膚に傷がついて炎症がおこったり、かゆみが増したりして再発のきっかけになります。また、強いかゆみは、患者さんを悩ませます。眠りが浅くなって勉強や仕事が手につかず、それでさらにストレスがたまり、かゆみが増すという悪循環に陥ります。かゆくてたまらないときは、次のような工夫で皮膚をかかないようにしましょう。

皮膚をかかないための工夫

  • かゆいところにやわらかい布で包んだ冷却まくらや保冷剤、冷たいおしぼりを当てる
  • 冷却効果のあるスプレー式の保湿外用薬をつける
  • 体を適度に動かす
  • 自分の好きなことをして意識をほかに向ける

このなかで「患部を冷やす」方法は、かゆみの刺激を伝える神経の働きや血行を抑えてかゆみの物質が広がるのを防ぐため、理にかなっているといえます。アトピー性皮膚炎の患者さんの調査でも「かゆいときは冷やす」という回答がもっとも多かったことがわかっています。

アトピー性皮膚炎を悪化させる悪循環

(正しい治療がわかる本 アトピー性皮膚炎 平成20年10月30日初版発行)

古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

1980年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部附属病院皮膚科学教室入局。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。

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