50g入り以上のチューブがほとんど!海外のステロイド外用薬事情

[これが基本となる正しい治療です] 古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

2015年9月03日 [木]

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日本で処方されるステロイド外用薬は、5g入りのチューブですが、欧米では50g以上がほとんど。アメリカの病院で治療を受けていた患者さんに、現地で処方されたステロイド外用薬を持ってきていただいたのが下の写真です(写真(1)の最小が日本のもの)。

これらのチューブの大きさを見ても、ステロイド外用薬に対する日本と欧米の考え方の違いが一目瞭然(りょうぜん)です。ステロイドの副作用に対する誤解により、控えめに使おうとする日本と違って、欧米では、有効性が証明された薬として治療に必要な量は十分使って効かせるのが、一般的な考え方。チューブもそれに合わせ、大きい容量がふつうになっているのです。

日本とアメリカの外用薬のチューブの大きさ比較

(正しい治療がわかる本 アトピー性皮膚炎 平成20年10月30日初版発行)

古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

1980年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部附属病院皮膚科学教室入局。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。

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