ステロイド外用薬 4

[これが基本となる正しい治療です] 古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

2015年2月05日 [木]

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皮膚の状態が改善すると副作用も出にくくなります

ステロイド外用薬の吸収率は、皮膚の状態によっても変わってきます。乾燥して傷だらけの皮膚は、バリア機能が低下している状態。このような皮膚では、薬はたくさん吸収されます。一方、傷がまったくない健康な皮膚は、外からの異物をはねのけるバリア機能が高い状態にあるため、薬はあまり吸収されません。

副腎は腎臓の上にあります

皮膚の状態と吸収率について考えてみますと、かゆみがひどく、ガリガリとひっかいているような皮膚にステロイド外用薬を塗ると、薬の成分の約90%が吸収されます。3日後、皮膚が治ってきたところに再度、ステロイド外用薬を塗ると吸収率は約30%になり、治療開始から8日後には、約10%にまで下がります。

つまり、同じように毎日、ステロイド外用薬を塗っていても、皮膚の状態が改善するにつれて薬は吸収されにくくなっていくため、副作用もおこりにくくなるわけです。これが皮膚に塗るステロイド外用薬の特徴です。皮膚の回復ぐあいに関係なく、全身に薬が作用してしまう飲み薬や注射剤とは違います。

治療後のステロイド外用薬の吸収率

(正しい治療がわかる本 アトピー性皮膚炎 平成20年10月30日初版発行)

古江増隆 九州大学大学院皮膚科学教授

1980年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部附属病院皮膚科学教室入局。
85年同病院皮膚科医局長。
86年、アメリカのNational Institutes of Healthの皮膚科部門に留学、88年東京大学医学部附属病院皮膚科復職。
同年東京大学皮膚科学教室講師、病棟医長。
92年山梨医科大学皮膚科学教室助教授、95年東京大学医学部皮膚科助教授。
97年九州大学医学部皮膚科教授、2002~04年九州大学医学部附属病院副院長兼任。
08年より九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センターセンター長兼任。
02~04年厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」主任研究者、05~08年同「アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究」主任研究者。

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