親子だけの秘密の合言葉

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2013年12月10日 [火]

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「ちっちむぅする~」と言いながら、私のセーターをたくし上げ、おっぱいに吸い付く娘は、当時生後十カ月。「ちっちむぅ」は、「乳を飲む」の意味なのですが、言葉を覚え始めた頃、ところ構わず「おっぱい!」と叫ばれるのが恥ずかしくて、親子だけに分かる合言葉「ちっち(乳)」、「むぅ(飲む)」という造語が生まれました。
母乳はいつでも準備なしで授乳できるかわりに、どこでもお乳を出さなくてはならないのが恥ずかしいのですが、娘はたとえ電車の中だろうと欲しくなったら問答無用です。そこで、周りに悟られないように伝えられるこの合言葉が役に立ちました。
娘が歩けるようになると、立ったまま器用におっぱいを飲むようになりました。その姿はまるで、ガード下の居酒屋で焼き鳥片手に立ち飲みするオヤジ系OLのよう。「ちっちむぅ」という飲み物を注文されているみたいです。
こうして毎日交わす合言葉のおかげで、子供とのコミュニケーションが取りやすくなり、親密度が高まりました。眠い時、淋しい時、悲しい時、「ちっちむぅする」の一言で安心感が広がり子供が笑顔になるので、新米ママとしてはとても助かりました。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

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