アトピーでもスイーツを楽しもう!~ナチュラルな甘味の工夫~

[アトピー・ノート] 須永晃子

2015年10月26日 [月]

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甘いものを食べたいけれど、どんなものを選んだらいいのかな・・・。
アトピー肌の方は、スイーツ選びに苦労されている方も多いようです。アトピー肌の方で甘いものが好きという方は多いように思います。糖分の摂り過ぎはアトピー肌にも良い影響は与えないですよね。

でも、心配しないでくださいね。いろいろなものから甘味を摂る方法がありますので、今回はアトピーでも安心できる甘味をご紹介します。

まずは、甘いものが欲しくなる仕組みからご説明しましょう。
アトピーの症状がつらいときに使うステロイド。このステロイドとは人工の副腎皮質ホルモンであり、「糖質代謝ホルモン」です。そう、糖分を代謝する作用をもっています。そのため、ステロイドを使うと、血液中の糖質が代謝され、甘いものを欲するわけです。ちなみに、炎症を鎮める作用をもつ漢方薬として甘草がありますが、糖質代謝ホルモンと同じような役割をしています。

糖質を代謝すると、炎症が和らぐため、糖代謝を促す薬がアトピーに使われることが多いわけですね。もちろん甘いものが好きかどうかは、個人的な嗜好の問題ですが、アレルギー治療をしている方は、そのお薬の影響もありスイーツが好きな方が多いと考えられています。
しかし、悲しいことに、甘味をたくさん摂ることはアトピーの症状を悪化させると言われています。

過剰に糖分摂取すると、人体は大切なカルシウムが不足してしまいます。陰陽理論では、甘味は陰性のため、体が緩んで、冷えて代謝が低下します。さらに血液を汚してしまい、アレルギー反応を生じやすくなってしまうのです。とくに、白砂糖やグラニュー糖、合成甘味料の場合にこのような心配があります。

精白されている砂糖や化学合成で人工的に作られた甘味は、甘味が大変強いですが、糖代謝に必要なミネラルなどは全く有しません。そのために、糖代謝が悪くなり、アトピー反応が出やすくなります。そこで薬をつかって糖代謝を促そうとするわけですが、精白されてないまるごとの状態や、糖代謝を促してくれる成分を含んでいる甘味を摂れば、アトピーの症状が悪化しないということになりますよね。では、糖代謝を促進してくれる成分をもっている望ましい甘味とはどんなものがあるでしょうか。

まずは、まるごとの甘味ということで、黒砂糖になります。黒砂糖は、代謝に必要なビタミンミネラルを豊富に含みます。砂糖きびは本来、体を冷やす作用がありますが、甜菜糖(てんさいとう)を使えば、冷やす作用はなくなります。甜菜糖の場合も、精白されていない茶色い含蜜糖(がんみつとう)を使いましょう。

そのほかにも、甘味の強い植物を利用することもできます。
中国で「長寿の神果」といわれる羅漢果(らかんか)は、乾燥させて砕いて煎じたものをお茶にして飲まれますが、砂糖よりずっと強い甘味があり、天然の甘味料として広く料理で活用されています。はちみつやメープルシロップなどは、世界的に人気の甘味ですね。これらもビタミンやミネラルを含んでいる望ましい甘味になります。

さらには、お米由来の甘味もありますよ。米飴や甘酒などは、お米の甘味を利用したものです。とくに玄米由来のものであれば、糖代謝に必要な栄養素もまるごと摂ることができます。

アレルギー反応がある場合は別ですが、アトピーの場合はこのような甘味を選ぶようにすれば、安心してスイーツを味わえますね。スイーツの時間は、不安な気持ちを持たず思い切り楽しみたいですよね。もちろん、甘いものの摂りすぎは厳禁ですが、賢く甘味を選んで、スイーツを楽しみましょう。

リラックスする習慣を効果的に取り入れることで、精神作用としてもアトピーの改善効果も期待できますよね。どうぞ幸せなスイーツタイムを!

須永晃子

米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー
ヒーリング・フード・コンサルタント。津田塾大学英文学科卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科農学国際専攻環境経済学研究室にて「有機農業」を研究。農学修士。”心身のホリスティックな健康を保つ”「ヒーリング・フード」をコンセプトに、講演やセミナー・イベントを開催。食生活とライフスタイルのアドバイスを中心としながら心身の健康改善に導く<ホリスティック・ヘルス・カウンセリング>を行う。著書『心を癒すたべもの ヒーリング・フード』、『リアル・オーガニック・ライフ』等。

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