アトピーの子と猫たちは共存できるのか?

[アトピー・ノート] 雫ゆき江

2015年7月13日 [月]

おすすめアトピー記事

前回に引き続き、アトピーをもつ子とペットとの生活についてお話をしたいと思います。

モモが生まれる前から始まっていた猫との暮らし。
アトピーを持って生まれてきたからといって、家族として暮らした猫たちを捨てることはできません。

だれかに貰ってもらうことも、ちょっとだけ考えましたが、成猫の貰い手はもともと少ないのが現状ですし、その上、私が拾った猫たちは、三匹とも生まれたときに失明やケガなどの障害を負ってしまっているので、なおさら貰い手を見つけるのは困難でしょう。そして何より、私がこの猫たちとの暮らしを手放したくありませんでした。

我が子と、猫。
どっちを選ぶか、なんて考え方はポイっとゴミ箱に捨てて、どうやって共に楽しく暮らしてけるかを模索する日々が始まりました。

掃除機を毎日かけて、床は除菌クリーナーで磨いて、猫用トイレの回りは一日に何回も雑巾掛け、猫の爪もまめに切って・・・。
でも、モモがハイハイ出来るようになってからは、床もなめるし、猫の尻尾を口に入れるのは当たり前。それでもお腹を壊すこともなく、アトピーがひどくなる様子もありません。

そういえば、どうして
「アトピーには、ピカピカに清潔な環境じゃなくちゃ絶対ダメ」
って、思っていたのでしょう。誰かに教えてもらったわけではありません。もしかしたら、思い込みに過ぎないかもしれません。

「今のところ何も変わらないのだから、清潔にするのも、ほどほどでいいかも?」
と、おおらかな気持ちになってきて、除菌・掃除と、がんばり過ぎなくても、何とかなるんじゃないかという気がしてきました。

成長と共にモモの愛情表現は、力の加減を知らないまま過激になっていきます。
思いっきりムギュ~っと抱きしめたり、なで方がうまくいかず叩いてしまったり。なぜかそれに抵抗しない猫たちは「なぁ~」と諦めたように鳴きながら、させるがままです。

引っかかれる心配はなさそうですが、猫は自由気ままな生き物と思っていたので、明らかに我慢して不満そうにブスッとした顔でモモに抱っこされている姿は、ほほえましいを通り越して笑ってしまいます。

そんな日々の中で、モモのアトピーの症状は軽減と悪化の波をゆるやかに繰り返していますが、それは猫たちとの暮らしには関係ないようです。それは良い結果として猫の世話をしたり、猫を可愛がっている時間は、掻くことが少ない気がします。

2012年3月に一番年長のオス猫を看取ることで、モモは大切な家族との別れも猫から教わる経験をして、豊かな心の成長と大らかな気持ちを猫に育ててもらう日々が、今も続いています。

雫ゆき江

1971年、栃木県宇都宮市生まれ。
グラフィックデザイナー・ライター・コラムニスト。
調理師免許を持ち、グラフィック、テーブルコーディネート、ディスプレイ、執筆まで幅広く活動。2004年女児出産。生後10カ月で娘がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていることが判明。そこから始まったアトピー&アレルギーの学びと経験で、育児と仕事の両立に泣き笑い奮闘中。
家族は、夫、娘(小2)、猫3匹(左近オス・萬寿メス・千寿メス)。

記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

興味のあるタグをクリック